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投与前にご確認いただきたいこと

投与前にご確認いただきたいこと

警告

警告設定理由
本剤投与により、結核、肺炎、敗血症を含む重篤な感染症及び脱髄疾患の新たな発現若しくは悪化等が報告されており、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現も報告されている。本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、これらの情報を患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
また、本剤の投与において、重篤な副作用により、致命的な経過をたどることがあるので、緊急時の対応が十分可能な医療施設において医師の管理指導のもとで使用し、本剤投与後に副作用が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること。[8.1-8.3、9.1.1-9.1.3、11.1.1、11.1.3、11.1.4参照]
先行バイオ医薬品を含む抗TNF製剤の投与により、結核、肺炎、敗血症を含む重篤な感染症や脱髄疾患の新たな発現若しくは悪化等が報告されています。また、本剤との因果関係は明らかではありませんが、悪性腫瘍の発現も報告されていることから設定しました。
また、本剤投与による重篤な副作用により致命的な経過をたどる可能性があることから、注意喚起を設定しました。
感染症
  • 重篤な感染症
    敗血症、肺炎、真菌感染症を含む日和見感染症等の致死的な感染症が報告されているため、十分な観察を行うなど感染症の発症に注意すること。[8.1、9.1.1、11.1.1参照]
  • 結核
    播種性結核(粟粒結核)及び 肺外結核(胸膜、リンパ節等)を含む結核が発症し、致命的な例も報告されている。本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線検査に加え、インターフェロン-γ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。結核の既往歴を有する患者及び結核の感染が疑われる患者には、結核等の感染症について診療経験を有する医師と連携の下、原則として本剤の投与開始前に適切な抗結核薬を投与すること。ツベルクリン反応等の検査が陰性の患者において、投与後活動性結核が認められた例も報告されている。[8.3、9.1.2、11.1.3参照]
  • 重篤な感染症
    先行バイオ医薬品の投与により免疫機能が低下し、敗血症、肺炎、真菌感染症を含む日和見感染症等の致死的な感染症が発現する可能性があることから設定しました。
  • 結核
    先行バイオ医薬品を含む抗TNF製剤の投与により、結核の発現が報告されており、中には致死的な例も報告されていることから設定しました。
脱髄疾患(多発性硬化症等)の臨床症状・画像診断上の新たな発現若しくは悪化が、本剤を含む抗TNF製剤でみられたとの報告がある。脱髄疾患(多発性硬化症等)及びその既往歴のある患者には投与しないこととし、脱髄疾患を疑う患者に投与する場合には、適宜画像診断等の検査を実施するなど、十分な観察を行うこと。[9.1.3、11.1.4参照]先行バイオ医薬品を含む抗TNF製剤の投与により、中枢神経系又は末梢神経系の脱髄疾患の臨床症状・画像診断上の新たな発生又は悪化が報告されていることから設定しました。
本剤の治療を行う前に、少なくとも1剤の抗リウマチ薬等の使用を十分勘案すること。また、本剤についての十分な知識とリウマチ治療の経験をもつ医師が使用すること。本剤は、効能・効果のとおり、既存の治療で効果不十分な関節リウマチに使用することとし、本剤の使用を開始する前に、少なくとも1剤の抗リウマチ薬による治療を考慮してください。また、本剤の使用に際しては、本剤治療のリスク・ベネフィットを十分検討する必要があるため、本剤及びリウマチ治療に精通した医師が使用してください。

(1)適応となる患者さん

効能又は効果

効能又は効果設定根拠

既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)

効能又は効果に関連する注意
過去の治療において、少なくとも1剤の抗リウマチ薬(生物製剤を除く)等による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな症状が残る場合に投与すること。

  • 本剤は、日本、米国及び欧州の規制当局のバイオシミラーに関する指針等に従い、先行バイオ医薬品を対照として種々の検討※を行い、得られたエビデンスを評価した結果、本剤と先行バイオ医薬品との同等性・同質性が確認されました。
  • 先行バイオ医薬品が有する効能又は効果のうち、再審査期間及び特許期間が満了している「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」を効能又は効果とする製造販売承認を2025年9月に取得しました。

※品質特性解析、非臨床試験、健康成人を対象とした海外第I相試験(AVT05-GL-P01試験)、中等度から重度の関節リウマチ患者を対象とした海外第III相臨床試験(AVT05-GL-C01試験)

(2)適応とならない患者さん

禁忌(次の患者には投与しないこと)

禁忌解説
重篤な感染症(敗血症等)の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
  • 抗TNFα剤治療は病原体に対する免疫反応を減弱する作用を有しているため、重篤な感染症を引き起こすリスクがあります。
  • 重篤な感染症の患者さんに投与することにより感染症を悪化させるおそれがあるため、本剤を投与しないでください。
活動性結核の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
  • 抗TNFα剤治療は病原体に対する免疫反応を減弱する作用を有しているため、結核の発現又は再活性化を引き起こすリスクがあります。
  • 活動性結核の症状を悪化させるおそれがあるため、本剤を投与しないでください。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 本剤の成分に対し、過敏症の既往歴のある患者さんにおいては、本剤の投与によりアレルギー反応を引き起こす可能性があるため、本剤を投与しないでください。
脱髄疾患(多発性硬化症等)及びその既往歴のある患者[症状の再燃及び悪化のおそれがある。]
  • TNFα阻害は薬剤誘発性神経障害発現を促進する可能性があり1)、本剤を含む抗TNFα剤の使用は脱髄疾患(中枢性及び末梢性)を引き起こすリスクがあります。
  • 脱髄疾患の症状の再燃や悪化のおそれがあるため、本剤を投与しないでください。
 1) Stubgen JP. Tumor necrosis factor alpha antagonists and neuropathy. MuscleNerve. 2008; 37: 281-292.
うっ血性心不全の患者
  • うっ血性心不全を悪化させる1つの要因として、TNFα阻害作用はTNFαによる有益な作用を喪失させ、うっ血性心不全の悪化をもたらすリスクがあります。
  • 先行バイオ医薬品を含む抗TNF製剤の投与により、うっ血性心不全の悪化や新規発現のおそれがあるため、本剤を投与しないでください。

(3)特定の背景を有する患者さんに関する注意

特定の背景を有する患者に関する注意

対象患者解説
合併症・既往歴等のある患者感染症(重篤な感染症を除く)の患者又は感染症が疑われる患者
  • 適切な処置と十分な観察が必要です。
  • 本剤の免疫抑制作用により、既存の感染症を増悪又は顕在化させるおそれがあります。
結核の既往歴を有する患者又は結核感染が疑われる患者
  • 結核の既往歴を有する患者さんでは、結核を活動化させるおそれがありますので、注意してください。
  • 結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談してください。下記のいずれかの患者さんには、原則として本剤の投与開始前に適切な抗結核薬を投与した上で、本剤を投与してください。
    • 胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者さん
    • 結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者さん
    • インターフェロン-γ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、既感染が強く疑われる患者さん
    • 結核患者との濃厚接触歴を有する患者さん
  • 本剤の免疫抑制作用により、結核の既往歴を有する患者さんでは結核を活動化させる可能性があります。
脱髄疾患が疑われる徴候を有する患者及び家族歴のある患者
  • 脱髄疾患が疑われる徴候を有する患者さんについては、各患者さんで神経学的評価や画像診断等の検査を行い、慎重に危険性と有益性を評価した上で本剤適用の妥当性を検討し、投与後は十分に観察を行ってください。脱髄疾患発現のおそれがあります。
  • 脱髄疾患の家族歴のある患者さんは、適宜画像診断等の検査を実施し、十分注意してください。脱髄疾患発現のおそれがあります。
  • 先行バイオ医薬品を含む抗TNF製剤の投与により、中枢神経系又は末梢神経系の脱髄疾患の臨床症状・画像診断上の新たな発生又は悪化が報告されています。
重篤な血液疾患(汎血球減少症、白血球減少、好中球減少、血小板減少等)の患者又はその既往を有する患者
  • 症状が悪化するおそれがあります。
  • 先行バイオ医薬品を含む抗TNF製剤の投与により、汎血球減少症、白血球減少、好中球減少、血小板減少等の重篤な血液疾患の報告があります。
間質性肺炎の既往歴のある患者
  • 定期的に問診を行うなど、注意してください。間質性肺炎が増悪又は再発することがあります。
  • 抗TNF製剤を間質性肺炎の既往のある患者さんに投与した場合、肺線維症を含む間質性肺炎があらわれる可能性があります。
B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)
  • 肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意してください。また、B型肝炎に関して専門知識を持つ医師に相談することが望ましいです。本剤を含む抗TNF製剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者さん又は既往感染者において、B型肝炎ウイルスの再活性化が報告されています。報告された症例の多くは、免疫抑制作用をもつ薬剤を併用していた症例です。
妊婦
  • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。本剤はIgG1モノクローナル抗体であり、IgG抗体は胎盤通過性があることが知られています。従って、本剤の投与を受けた患者さんから産まれた乳児においては、感染症のリスクが高まる可能性があるため、乳児に生ワクチンを投与する際には注意が必要です。
授乳婦
  • 治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討してください。本剤のヒトにおける乳汁への移行は不明ですが、動物実験(サル)で乳汁中へ移行することが報告されています。
小児等
  • 日本人の小児等を対象とした臨床試験を実施しておらず、安全性は確立していません。
高齢者
  • 一般に高齢者では生理機能(免疫機能等)が低下しているため、感染症等の副作用の発現に留意し、十分な観察を行ってください。

(4)その他注意すべき患者さん

対象患者解説
他の生物製剤を投与中の患者
  • 本剤は細胞性免疫反応を調節するTNFαの生理活性を抑制し、宿主免疫能に影響を及ぼす可能性があります。
  • 他の生物製剤から本剤へ切り替える場合は、十分な観察を行い、感染症の発現や増悪への注意を継続してください。
生ワクチン接種
  • 本剤は免疫抑制作用を有することから、本剤による治療中に生ワクチンを接種した場合には、生ワクチンによる二次感染の可能性を否定できないため、生ワクチン接種は行わないでください。

(5)インフォームド・コンセント

本剤を投与する患者さんとご家族に対しては、投与前に本剤の有効性・安全性について十分に説明し、同意を得たうえで本剤の投与を開始してください。
本剤の投与により発現する可能性のある副作用についても具体的な説明を行ってください。

  • 患者さんへの説明のポイント(投与前)
  • 関節リウマチとTNFαについて
    関節リウマチの主な原因は免疫の異常です。免疫に異常が起きると、細菌やウイルス等の病原体に作用する物質が異常に増加し、自分の体の組織を攻撃して関節の炎症を引き起こします。その結果、関節の痛みや腫れなどが起こります。その物質の代表がTNFαです。
  • 本剤について
    -本剤は、関節リウマチの患者さんの関節等に多くみられるTNFαに選択的に結合し、TNFαのTNFα受容体への結合を阻害します。その結果、関節の痛みや腫れなどが抑えられます。
    -4週間に1回の間隔で、皮下に注射します。
  • 主な問診内容について
    -投与に際して注意が必要な患者さんの確認
    • (以下の疾患に罹患している又は罹患経験のある患者さん)
    • 〇感染症(敗血症、肺炎等)
    • 〇結核
    • 〇脱髄疾患(多発性硬化症等)
    • 〇重篤な血液疾患(汎血球減少症、白血球減少等)
    • 〇間質性肺炎
    • 〇B型肝炎
    • 〇うっ血性心不全
    • (以下の患者さん)
    • 〇妊婦又は妊娠している可能性のある女性
    • 〇授乳婦
    • 〇小児等
    • 〇高齢者
  • 本剤投与により発現する可能性のある副作用について
    • 〇敗血症性ショック、敗血症、肺炎等の重篤な感染症
    • 〇間質性肺炎
    • 〇結核
    • 〇脱髄疾患
    • 〇重篤な血液障害
    • 〇うっ血性心不全
    • 〇重篤なアレルギー反応
    • 〇ループス様症候群 など
  • 患者さんへの説明のポイント(投与後)
    -本剤による治療中に、副作用が疑われる症状の発現に十分注意するようご指導ください。
    -以下の症状があらわれた場合は、医師、看護師又は薬剤師に連絡するようご指導ください。
    • 〇寒気がする、熱がある、咳、痰、息切れする
    • 〇疲れやすく、だるい、脱力する
    • 〇じんま疹、全身にかゆみがある

(6)投与前に行う確認事項

本剤による治療を始める前に、以下の問診・検査を行います。

問診:

検査:

  • 血液検査(白血球数、リンパ球数、B型肝炎ウイルス、β-Dグルカン等)
  • 結核スクリーニング検査
    • 必須項目:
    • 問診(既往歴、家族歴、結核患者さんとの接触歴等)、
    • インターフェロン-γ遊離試験またはツベルクリン反応検査、胸部X線検査
    • その他:
    • 胸部CT撮影(結核、呼吸器疾患の有無)